誠の桜に止まる蝶~番外編~
そんなことを考えながら走っていると誰かとぶつかった。

「きゃっ!!」

転ぶ!!

地面にたたきつけられる痛みを覚悟したけどいつまでたってもそれはこなかった。

恐る恐る目を開けると原田さんがしっかりと私を支えていた。

「は、原田さん!!」

「大丈夫か?蝶。」

「あっ、ごめんなさい!怪我しませんでしたか?」

「お前みたいな華奢な奴にぶつかられても怪我なんてしねえよ。」

「華奢じゃないですって!!ってごめんなさい!!支えられたままでした!!」

私は急いで体制を立て直す。

あんまりにも力強いから安心してそのままでいたみたい。

「ははっ。気にすんなって。それよりこんなところでなにやってるんだ?」

「あ、実は・・・」

私は話そうとした瞬間少し離れたところに気配がした。

「っ原田さん私を隠してください!!」

「え?」

私はとっさに原田さんの背後に隠れる。

体の大きい原田さんの背後に入れば私の体はすっぽりと隠れる。



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