誠の桜に止まる蝶~番外編~
「稽古に行こうかな・・・」

私は暇だったので道場に向かおうとする。

すると誰かに腕を掴まれた。

「あれ、一さん。どうしたんですか?」

「今日の稽古は俺が付ける。だからお前は休んでたらいい。」

「え?でも私暇ですので・・・」

「い、いいや!お前は最近隊務をよくこなしている。きっと体も疲れているだろう。だから今日はゆっくり休むといい。」

すこし口早に一さんは話す。

「え?でも昨日夜の巡察の一さんのほうが疲れてるんじゃ・・・」

「いや、だから、その、あれだ。俺は体を動かしたい気分なんだ!だ、だからお前は休んでいたほうがいい。」

「つまり、私が休んでいたほうが都合がいいんですね?」

「あ、いや、そうじゃなくてだな・・・」

一さんが必死に何かを言おうとする。

「わかりました。休んでますね」

私は朝の件があったせいか少し不機嫌に答えて背を向ける。

別に一さんが悪いわけじゃないのに・・・

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