誠の桜に止まる蝶~番外編~
「蝶っ!お前結構深く切れてるじゃねえかよ!!」

平助君が顔を真っ青にして叫ぶ。

「歩けるか?」

原田さんが心配そうにこちらを見る。

嫌いなら優しくしなきゃいいのに・・・・

おもわず私はそう思ってしまう。

「蝶。俺がお前を運ぶ。」

原田さんが私を持ち上げようとする。

「いい。一人で歩ける。」

私はその手を払いのけて歩き出す。

歩くたびに腕に激痛が走る。

「っ!!」

私はおもわずその場にうずくまる。

「蝶!!無茶すんなって!!」

平助くんが心配そうにこちらをみる。

「へーき・・・みんな、先帰ってていいよ?」

私は精いっぱい明るく声を出す。

すると突然持ち上げられて気がつくと原田さんに抱きかかえられていた。

傷口に触れないようにそっと。

「ちょっ!原田さん降ろして!!私歩ける!!」

「無茶すんじゃねーよ。」

すこし怒り気味に原田さんが声を出す。
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