誠の桜に止まる蝶~番外編~
「総司、お前右手にもなんか持ってないか?」

「え?ああ、これ?彼岸花。」

手には鮮やかな赤色の彼岸花が握られていた。

「彼岸花なんか何に使うんだよ。」

不思議そうに新八は首を傾ける。

「お仕事で疲れている土方さんの机に飾ろうかなってね♪」

とてもさわやかな笑顔でさらりと言う。

「いや、てねっ♪じゃねえだろそれ・・・」

「ははっ。まあ気にしない気にしない。」

「こいつやっぱり怖いわ・・・」

ぽつんと新八がつぶやく。

「俺なりのお礼だよ。」

蝶と俺の時間を邪魔してくれた、ね。

総司は足早に歩き出した。

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