誠の桜に止まる蝶~番外編~
「はい!総司!」

「これは?」

見る限りでは羽織だけど・・・

「これ私が作ったの。」

嬉しそうに蝶は微笑む。

「え?蝶が?」

「うん!総司の羽織血がついて取れないから。せっかくだから作ってみようかなって。お母様から裁縫は習ってたからすごい得意なんだよ?」

「蝶・・・すごくうれしい・・・」

今度こそ俺は蝶を抱きしめる。

「喜んでもらえてよかった。」

「大切にするよ。」

「今度は返り血、つけないようにね?」

「わかったよ。」

穏やかな時間が流れるとある昼下がり。

俺はこんな風にこれからも蝶と過ごしていきたいと改めて思った。
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