誠の桜に止まる蝶～番外編～
「っていこうこと。みんな理解できた？」

私が問いかけるとみんなが唖然としている。

「やっぱり信じてもらえない？」

「いや、蝶ちゃん本当にすごいんだな。」

新八さんがしみじみと声をだす。

「うん。本当に蝶はすごい女の子だよ。」

総司は優しく腕を外しなでてくれる。

「そうかなあ？」

「ああ。まるでどこかの巫女みたいだな。」

土方さんがつぶやく。

「あれ？私みんなに言ってなかったっけ？私、巫女だよ？しかも普通の巫女じゃないし。」

「へ？」

平助君が素っ頓狂な声をあげる。

みんなも唖然とした表情でこちらをみている。

「あー話してなかったみたいだね。私の現代の家は神社なの。そしてその神社は桜乙女っていう清き乙女が生まれ変わる場所で、その桜乙女を守り、補佐していくのが代々桜乙女以外のうちの巫女の役目なの。」

「へえ。確か蝶のお母さんは桜乙女だったよね？」

総司が記憶をたどって答える。

「そうだよ。だから娘である私は補佐役みたいなものかな？そして本当は次期祈り姫だったんだ。」

「祈り姫？」

原田さんが不思議そうにつぶやく。

「うん。祈り姫は代々うちの一族の当主が受け継ぐの。桜乙女を守り、導き、そしてほかの人々を幸せへと導く役目を請け負った巫女なの。だけどお母様は桜乙女だからその祈り姫の役割も私にきたってわけ。」

「へえ・・・だから蝶ちゃんは不思議な力を持っているのか。」

近藤さんがしみじみと頷く。
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