誠の桜に止まる蝶～番外編～
私は少し疎外感を覚えた。

みんな、沙織さんのことを昔から知っている様子だ。

なんだかそれがすごく寂しかった。

その寂しさはみんなを取られたとかそういうものじゃなくて、私も沙織さんと仲良くしたいのにというものだった。

そして、沙織さんを歓迎する宴が今夜開かれた。

「蝶？楽しんでる？」

私が一人でポツンと食べていると総司が笑顔でやってくる。

「うん・・・」

「元気ないね。どうしたの？」

「いや、沙織さんってどういう人なのかなって。」

「ああ、沙織はね、新選組の名付け親だよ。」

「え？」

「彼女が俺らに新撰組と名乗ったらいいと言ってくれたんだ。そして、いつも剣術の稽古をつけてくれた子なんだよ。」

「すごい・・・」

「でも沙織は蝶と同い年だよ？」

「ええええっ！！！」

「確かに沙織は大人っぽいからね、俺らも８年ぶりくらいにあったけど驚いているもん。」

「そうなんだ・・・」

「そして、彼女がいるから今の俺らがいるんだよ。」

「え？」

「武士として名を上げられなかったときに俺らを支えてくれたのが沙織だったんだ。」

「そうなんだ・・・」

「うん。だから沙織にみんな感謝しているし、何より久しぶりにあえてうれしいんだ。」

そう言って穏やかに微笑む。
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