セイントロンド
「よろしくっていう挨拶の基本だろー?」
「………………は?」
何言っちゃってんの…?
痛い…痛すぎる…
私………変な人と関わってしまったんじゃ…
「その呆れた顔やめろよなー。傷つくだろうが!!」
そう言いながらもカインはへらっと笑う。
お気楽な人……
絶望なんて味わった事無い幸せな人間…
そんな奴がなんで使徒なんかになったの?
…何はともあれ………
「あなた、私が魔女だったら一瞬であの世逝き」
「…あ、えっ??」
まるで"何で魔女の事を?"と言わんばかりに驚くカインを私は静かに見据える。
魔女は人を惑わし、魔の力を扱う存在。
疑いもせずに赤の他人の手を握り、隙を見せるなんて…
「ただでさえ使徒は命の危険と隣り合わせなの。そんなんじゃ早死にする」
「なんで知って…」
カインはまた驚いたように私をまじまじと見つめる。
聖女の顔くらい知っていてほしいものだ。
「アメリア様ーっ!!!」
あ…メアリーの声だ。
もうそんな時間か……
多分ミサの時間なんだろう。だから探しに来たという所か……