セイントロンド
夜の町、時計塔の上でゆっくりと瞳を閉じた。
「………風が…………」
生暖かい。
体に纏わり付くような…気持ち悪い風だ…
―ザワザワザワ…
木々がざわめく…
いる…必ず魔女がいる…
直感…でも私の直感は現実に変わる。
だてに聖女やってないからね…
―ズドーンッ!!!!!
「来た!!!」
銀銃を腰から抜き、そのまま時計塔から飛び降りる。
―ヒュオオオオッ
風を切る音がする。
「…ワルプルギスの名の元に、白き翼を与えよ」
―ブワッ
白き翼が背から生え、落下を止める。
「魔女…」
名を呼ぶだけで沸き上がる怒りと悲しみと…憎しみ。
ただ本能のままに…魔女を狩るだけだ。
「早く行かないと…」
翼をはためかせ、私は爆音が響いた場所へと向かった。