セイントロンド
・星読みのmedium
深い闇へと墜ちていく…
どんどん深く、ゆっくりと…
いつもと同じ……
あの悪夢の続き…………
『ねぇリリス、どうやったら魔術を使えるの?』
『うむ…ただ願えば使えたのだ、説明するのが難しい』
私と同じ髪と瞳をもつ娘と、反対の黒髪に紅い瞳をもつ娘がいた。
野原に座り、笑顔で微笑み合う二人。
二人は"親友だった"。
『ねぇ、この野原を花一面にも出来るの?』
『容易い』
リリスと呼ばれた娘は立ち上がり、両手を広げ、何かを呟いた。
その瞬間ー…
―フワッ
暖かい風が吹き、白い花が一面に咲き誇った。
この花は…………
『とても綺麗…本当にすごいわ!!…この花は?』
『…ワルプルギス…と』
リリスは照れたようにそう答えた。
『まぁ!私の名前!』
金髪の娘…ワルプルギスは嬉しそうに笑みを浮かべた。
『今名付けたのだ。わらわの大切なお前の名をこの花に贈りたい』
リリスは愛おしそうにそっと花を撫でた。
『リリス…ありがとう、私もあなたを大切に思うわ。いつか私に、本当に愛する人が現れたとしても、私はあなたを同じように大切に思うもの』
『わらわも…お前を永久に大切に思う。我等の想いが離れるのは、この天地が別つその時だけだ』
お互いに笑みを浮かべ、手を取り合う。
大切…仲間…家族…友…
そんな関係を全て合わせたような感情を互いに抱いていた。