セイントロンド


「…綺麗な歌だな………」

「!!!!」


突然聞こえた声に振り返ると、そこにはカインがいた。


「…………あなた……」


笑みを浮かべるカインを睨みつける。


もしかしなくても歌…聞かれてた。


「でもどこの国の歌だ?
聞いた事ないな」

「知らない」


この歌がどこの歌で、何という名前かなんて…


私は知らない……


「知らないのかよ!」


カインは苦笑いを浮かべる。


「母さんがよく歌ってくれた歌。だからこの歌が好きだけど……」


この歌の名前を聞く前に母さんも父さんも私の前からいなくなったから…


「この歌を聞いて欲しかった、この歌の名を知る人達はもう…この世にはいないから…」


カインが息を呑むのがわかった。


何と声をかけていいか迷ってるようにも見える。


だから私から話しを変える事にした。


「あなた、メアリーを知らない?」


メアリーを探しにここまで来たのに…


時間をくってしまった。


「あ、俺はそれでアメリアを探してたんだ」

「…は?」


なんでカインが私を探す必要があるの?


私とメアリーの問題だ。
そもそもなんでこの人がこの事を知って……












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