セイントロンド
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「だいぶ遅くなったな…」
教会に帰る頃には、空は闇夜に広がっていた。
月だけが歩く道を照らしている。
べールが風に靡く。
今日はいつもより風が吹いていた。
「…変な風………」
生温い風…体に纏わり付くような……
まさか………
「っ!!!!」
咄嗟に駆け出していた。
この感じ……魔女だ!!!!
「ワルプルギスの名において、我に白き翼を与えよ」
―バサッ
背に白い翼が生え、空へと羽ばたく。
「教会の方からだ…」
教会を魔女が狙うなんて…
あそこは魔女からしたら聖地だ。
魔の者が踏み込む事など…
―リィィィン…
突然頭に鈴の音が鳴り響いた。
「まさか……母さんの封印を……」
"壊そうとしてる"…?
大魔女が封印に抗えるようになったのか……