セイントロンド
「加護を!!」
―キンッ
光の盾が風を防ぐ。
なんて力……
高位魔女自らが出向いて来るなんて…
冷や汗が身体中から湧き出る。
「大魔女リリスは余程焦っているようね」
挑発するように魔女へ笑みを浮かべると、魔女は私を見て目の色を変えた。
「貴様…ワルプルギスノ血筋カ!!!!」
殺気を放つ魔女に息を呑む。気だけで人を殺せるんじゃないかと思うほどに…
「まさか、聖地に足を踏み入れるなんて…どういうつもり?」
腰にある銀銃を抜き、魔女へと向ける。
ワルプルギスの血に宿る聖なる力よ…
銀銃が光を帯びる。
「フンッ…力ヲ抑エタ状態デ、我ニ勝テルト思ウナヨ!!!」
「答えて、何故ここを狙ったの?たった一人で勝てるとでも?」
高位魔女であろうと無防だ。魔女一人が沢山の使徒を相手になんて……
「!!!!!!」
そこで気づく。
なら何でこんな焼け野原になっているのか…
"他の使徒達"は………?
「ククッ…アハハハハハ!!気付イタカ!ワルプルギスノ子ヨ!!!」
まさか…………
他の使徒達を…………
"殺したの"……?