セイントロンド
「…………もういい。話しは終わりにしよう」
銀銃を握る手に力を入れる。
この魔女だけは……
逃がさない。
「カイン、メアリーを連れて聖堂へ。まだ生存している使徒達で聖堂の死守を!」
「何言ってんだ!!お前はどうするんだよ!!」
「黙って!!!」
声を荒げると、カインは驚いたように私を見つめる。
「あなたに、一度にいくつも守るなんて出来やしない!!自分の力量と技量を良く考えて!!今ここに残れば、メアリーも危険に晒す事になる!!」
「でも!!!」
「邪魔だって言ってるの!!」
守りながらなんて…
高位魔女相手に気は抜けない。
「…………くそ!!!
絶対に死ぬなよアメリア!!」
カインはメアリーの手を引いて走り出す。
何が死ぬな…だよ……
自分の心配しなよね……
「グキャギャー!!!」
悪魔が襲いかかってくる。静かに銃を構え、悪魔の心臓を狙う。
可哀相に………
悪魔は元は人だった。
悪魔の刻印が人を悪魔に変えてしまったんだ。
「罪深き悪魔に断罪を!!…judgment!!!!」
―ビュンッ
悪魔の心臓を光の銃弾が撃ち抜く。
「…安らかに……」
悪魔は光のガラスが砕けるように消えていく。
それから魔女へと視線を向けた。