セイントロンド
―ズキンッ
「うっ…ぐ…………」
頭痛がする………
腕の感覚も少しずつ無くなってきた…
『…何故だ…わらわはおぬしを……』
『すまない、僕はワルプルギスを愛してる』
泣いている……
大魔女リリスは絶望していた。愛した男と、大切な親友が離れていく…
短い時を生きる人間と、長い時を生きる魔女。
二人といれる時間は限りある。
出来るだけ長く傍にいたい。でも………
二人はもう………
『わらわを必要としない…』
わらわは一人だ……
共にいると約束したのに…
共に…………
『ならば殺しちゃえばいいんじゃない?』
『!!!!』
大魔女リリスは突然聞こえた声に振り返った。
そこには自分の腰くらいしかない背丈の少年がいた。