セイントロンド


「………なんなの…これ…」


頭が割れそう……
私の中に勝手に入ってこないでよ…


「メフィスト・フェレス…?」

「何故ソノ名ヲ…」


明らかに魔女が動揺している。


「知らないよ、私だって今知って…はぁっ……」


息が荒くなる。
さろそろ本当にやばい…


「悪魔メフィスト・フェレス…アイツガアノ方ヲ…」


「二人が憎み合ったのはメフィスト・フェレスのせい…だね?」


もしかしたら………
大魔女リリスは戸惑っていただけかもしれない。


初めての恋、初めての友…



ただ…その隙をつかれてしまったんじゃないか…?



「コノ世界ハアノ方ヲ苦シメル!!」

「ならなんでリリスを止めないの!!これからずっと傷つき続けるんだよ!!!」


「…モウ…引キ返セナイノダ!!!恨ミ、壊ス事デシカ、アノ方ハ救ワレナイ!!」


魔女は泣いているようにも見えた。


もう後戻りなんて出来ない…
もう遅いのだと嘆いている。



「…また…繰り返すの…?
また繰り返すの!!!?」

「黙レ!!!!!」


―ズドーンッ


暴風が吹き、私の体は地面へと強く打ち付けられる。


「がはっ…ぁ………」

「アメリア!!!!」


そこに聞き覚えのある声が聞こえた。


誰かが駆け寄ってくる。


あぁ…駄目だ………
視界がぼやけて…………










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