セイントロンド


「アメリア!!!」


誰かが私を抱き起こす。
視界に赤い髪と碧い瞳が見えた。


この赤と碧は…………


「カイン………?」

「あぁ、しっかりしろ!!今は逃げるぞ」


逃げ…る……?
駄目だ……………


「今逃げたら…もう…分かり合えなくなる……」


この高位魔女となら…話し合えるかもしれない。



あの夢が本当なら……


私達の敵は…悪魔メフィスト・フェレスだ。


「馬鹿、動くな!!」


起き上がろうとする私をカインが止める。


「離して、私はあの魔女に話しがある」

「話?魔女相手に何言って…」



魔女相手に…か………


「魔女にも心がある。誰かを想う心が……」


主を想う魔女の心……
人と同じ愛し、慕う心。


「心……?あいつらは…沢山の人間を殺してきたじゃねぇか……」


カインは眼帯をつけた左目を抑え、俯く。


「…そうだね…。でも、私達も魔女を殺してきた」

「それは…………」


沢山殺し合った。
お互いに命を奪いすぎたんだ…


「…マダ話シヲスルトイウノカ……?」

「永遠にこの戦いを続けるの?私は…出来るなら…」


出来るなら………
この戦いを終わらせたい。


こんな…絶望や悲しみだけの世界…


守る価値も分からない世界だけど……


私の血族の始祖が原因なのだとしたら、責任がある。












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