セイントロンド
―ギィィ…
「聖女様、ルドナ神父より伝言を預かりました」
入って来たのは伝令役の男だった。
ルドナ神父から……
使徒をまとめる魔女狩りのマスター。
彼からだという事は……
「仕事?」
思い当たる節を尋ねれば、男は静かに頷いた。
「今回も使徒の手には終えなかったの?」
私の元へ来る依頼は使徒では対処しきれない案件ばかり。
あの魔女のように上位であればあるほど命の危険がある。
「一人、使徒をお連れ下さい。今回ばかりは手こずるかもしれません」
男は私に資料を渡した。
それを無言で受け取り、ザッと目を通す。