セイントロンド
《カインside》


本当にちっせぇ………
こんな細い体で、何を背負ってんだ……


「小さいくせに、強がるなよ」

「…悪口は本人を前にして言うものじゃないよ」


アメリアはフイッと俺から目を逸らした。


「悪口じゃねぇって!もっと頼れって言ってんだ」

「どうして?」

「どうしてって……」



こいつ…感情が薄れてるんじゃないか…?


嬉しいから笑ったり、痛いから悲しいから泣いたり、悔しいから怒ったり…


こいつはあまり表情がない。いつも「どうして?」と尋ねる。


でも全く無いわけじゃない。


"誰かの為になんて"と言うアメリアだって、その誰かの為に涙を流してる。


でもそれは…大切だからとか、そういう感情とは違う気がする。


もっと…そう………


まるで背負う罪の一つのように……


「もし苦しくて痛い時は、誰かに話してみるだけで和らぐんだ。だから…辛い時は話せばいい、俺が聞いてやる」


出来るだけ分かるように、ちゃんと伝わるように言い聞かせる。


「何度も言うけどな、お前は一人じゃない。少なくとも俺は傍にいる」


そう言えばアメリアは考え込むように俯いた。










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