セイントロンド
「…ここ…みたいだね…」
私達が来たのは第一被害者の遺体があった町の広場だった。
「町の中心にある広場でもさすがにあの事件の後だ、誰もいるわけないか」
広場には事件を恐れてか、人っ子一人いない。
静まり返っている。
「遺体は……広場の中央、噴水の中に浮かべられてたそうだね」
町の人間の話しだと、その日は噴水が血に染まり真っ赤だったと…
「あぁ、気味悪いぜ…。噴水の遺体は耳を持ってかれてる」
耳に腸に眼球……
使徒を殺せるくらいだ、絶対に人間じゃない。
だとすれば……
魔女か悪魔だ。
メフィスト・フェレス…
魔を支配する魔女さえも惑わす魅惑の悪魔。
彼が関係してるに違いない。
「とりあえず噴水に行こう。まだ気配が残ってるかもしれない」
「あぁ、そうだな」
私達は噴水へと近づく。