セイントロンド
「知り合い?」
カインは意外そうな顔で私を見上げる。
「…私に知り合いがいるのはそんなに意外?」
嫌味を込めて笑顔で尋ねると、カインは顔を強張らせる。
「そ…んな事言ってないだろ!?」
焦るカインを見てため息をつく。
嘘つくの…下手なんだろうな、この人。
「別に、気にしてない。話しを戻すけど、明日は星読みの巫女の神殿に行くから」
「そうか、分かっ………何だって!?」
カインは腰を浮かせ顔を近づけてくる。
「近い…離れて。今言ったのが聞こえなかった?」
「いや、俺の耳が死んでなきゃ…巫女の神殿に……」
「あなたの耳、生きてるから大丈夫だよ」
ちゃんと聞こえてるじゃん。何で聞き返すのよ…