セイントロンド


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「…んっ…………」


瞼を閉じていても感じる始まりの光。
朝日が朝の訪れを知らせる。


それから………
焼ける…匂い…?


ムクっと体を起こすと、目玉焼きを焼くカインと目が合った。


「目、覚めたか。おはよう、飯なら今出来たとこだ」


カインは焼いた目玉焼きを皿へと乗せてニッと笑う。


「ほら、座れって」


わたしは促されるまま椅子へと腰掛ける。


…………良い匂い…
でも………



「お腹空いてない」


朝は出来るなら食事をとりたくない。


メアリーは「ですからそんなに細いのです、どうか食事は三食おとり下さい!!」と泣きそうになってたので仕方なく食べてた。


今日くらい食べなくたって……


「だからそんな細いんだろ!ちゃんと食え!」

「……メアリーみたい…」



ムッとふて腐れると、カインは私の頭をくしゃっと撫でる。











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