sky
だって、空が死ぬはずない。

空は生きている。

「ねぇ、空、もう少しで21時になるよ。」

「…早く寝る準備しなきゃ、明日も早いんでしょ?」


私は返事がくるはずないのに、
空に問いかけていた。

「咲子、空くんには…空くんには伝わらないよ。」

かすかにママの声がした。


「違うよ、ママ?空は生きてるよ?」

「咲子、空くんは…旅をしたんだよ。」


ママは泣きながら必死に声を出して私に伝えた。


…嘘だよね?

私は今この場から逃げたくなった。


…違う。

空は…空は生きている。


「空っ生きてるよね?…空っ、いかないでよ!私を置いていかないで!」

私は泣き叫んだ。


今…私の心と体は魂が抜けた気がした。

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