言葉で伝えて
今日の晴、いつもと全然違う…。


どうしたんだろ。


窓の外を眺めながら、晴に言った。

「ありがとうね、晴彦。
こんなの初めてだから…すごく嬉しい。
あはは、なんか今日泣いてばっかだね。」



晴の方をちらっと見た。


なんか、微妙に悩んでるようにみえた。


本当、いつもと全然違う。


五年も一緒にいるのに、今日の晴は、どうしちゃったんだろ。



「なぁ。お前と付き合ってもう五年だろ。
お互い大学卒業して、就職して、だいぶ仕事にも慣れてきた。
お前、なりたかった保育士になれたよな。
だから…だからさ…」


どくん。どくん。


私の心臓が、大きな音をたてる。


今まで感じた事のない雰囲気に、初めて見るよくしゃべる晴に、緊張してる。



「やっぱいいや。
寒いし、運転疲れた。
帰って寝る。」


………!!

「えぇー!!なにそれ!!
気になるよ!!なんて言おうとしたの!?」



「うるさいな。帰るって言ってんだろーが。」



なによ!!気になるのに。


でもこれ以上追求して、機嫌悪くなっちゃうのも嫌だしな…。


ここは、とりあえず黙っとこ。



三時間くらいして、アパートに着いた。


晴、こんな長い時間運転してくれたんだ。


遠出なんて、いっつも嫌がるのに…


本当ありがとう。


もしかしたら、結構愛されてるのかも。
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