言葉で伝えて


私は流れる涙を止められないまま、意識を手放した。






「あれ…、晴…?」



目が覚めると私はいつの間にか服を着ていて、ベッドの端には晴がこちらに背を向けて、座って煙草を吸っていた。



「起きたのか。」


晴がこちらを振り向く。


その時、先ほどの晴の言葉を思い出す。


「ねぇ晴、百合って初めて呼んでくれた…私、聞こえたよ。
愛してるって言ってくれた…」



「言ってねぇよ、空耳だろ。」



「でも聞いたよ。」



「ふーん。はい、これやるよ。」



そう言って晴が差し出した物は、


キラキラ輝くリング。


海でびっくりしすぎて、リングの事、忘れてた…


「私に…くれるの?」


「何寝ぼけた事言ってんだよ。
お前選んだじゃねーか。」


だって…だって…。



「何泣いてんだよ…、お前なんでそんな今日泣くの?」



そう言って晴は、私を抱きしめた。



「だ…だって…晴から何かもらった事なんて…今までなかったし…」


「だから今やるって言ってんだろ。」


「他の女の子にプロポーズするかと…」


「なんでお前がいんのに他の女にプロポーズしなきゃなんねーんだよ。泣くな。」



背中を優しく撫でてくれる晴。


もー頭ごちゃごちゃ…



「私に、プロポーズしてくれてるの…?」
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