言葉で伝えて





…百合を抱きながら、俺は決めた。


百合が不安になると言うなら、俺は百合にプロポーズする。


前々から考えてた。


俺も仕事になれてきたし、百合もなりたかった保育士の仕事を頑張ってる。


充実した毎日。


そろそろちゃんと、けじめをつけたいと思ってた。



百合が前に雑誌をみながら欲しいと言っていたあのエンゲージリング。


あれを渡して、ちゃんとプロポーズしよう。


残念ながら、ブランド名しか覚えてないし、照れくさくて誕生日にもプレゼントした事ないからサイズもわかんねーんだけど。



百合を抱いた後に、買い物に着いてきてくれと言い、家を出た。



百合は、買い物なんて初めてだね、なんて言いながらすごくはしゃいでいた。


なんだか申し訳なくなった。


下らない意地でデートにも連れてってやった事のない自分。


ごめんな、百合。






無事にリングも買うことが出来た。


車に乗り、百合が海に行きたいと言ってたのを思い出し、連れて行こうと思った。



ぼーっとしていた百合は、いつの間にか眠っていたけど、少し遠い海までの道のりは、考え事をしながらだったので、あっという間に着いた。
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