Dummy Lover
後ろを振り返ると。
「しかも、ため息ついてるし」
「は…、早すぎない?」
「そう?」
屋上の扉の屋根の上に座る、白谷泉がいた。
屋上の屋根上とは、ここのことだったのか。
「私が来る前から、」
「いたよ?由愛ちゃんの独り言も聞いてたよ」
「……そうですか」
私はまた、ため息を漏らしてしまった。
「さ、登っておいでよ」
「は?」
白谷泉は、いわゆる屋上の屋根上から、手を伸ばしている。