Dummy Lover




「えっと…」


いきなり声をかけられて振り向いた私は、その人物を確認して固まってしまった。

だって、そこにいたのは、金城瑠璃だったのだから。




「ちょうど良かったわ」

「え…」


声をかけられはしたけど、何を話せば良いのか分からずただ突っ立っていると、金城瑠璃の方から会話が始まった。でも、意味が全然分からない。


「私、羽月さんに言いたいことがあるの。だからちょうど良かった」

「言いたいこと…?」


私はさらに訳が分からなくなって、眉間にしわを寄せることしか出来なかった。

すると、金城瑠璃は笑って、こう切り出した。


「白谷くんのことよ?」


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