Dummy Lover
*
「えっと…」
いきなり声をかけられて振り向いた私は、その人物を確認して固まってしまった。
だって、そこにいたのは、金城瑠璃だったのだから。
「ちょうど良かったわ」
「え…」
声をかけられはしたけど、何を話せば良いのか分からずただ突っ立っていると、金城瑠璃の方から会話が始まった。でも、意味が全然分からない。
「私、羽月さんに言いたいことがあるの。だからちょうど良かった」
「言いたいこと…?」
私はさらに訳が分からなくなって、眉間にしわを寄せることしか出来なかった。
すると、金城瑠璃は笑って、こう切り出した。
「白谷くんのことよ?」