Dummy Lover
「え…?」
「羽月さん、白谷くんと親しいでしょ?」
金城瑠璃の言葉を聞いた瞬間、寒気が全身を駆け抜けた。
何で知ってるんだろう?
確かに、付き合ってることを秘密にしてるわけじゃない。
でも、偽物だってことや、私と白谷の本性については、私たち共有の秘密だ。むしろ、秘密を共有するために偽恋人をやってるようなもの。
しかし、それをなぜ、金城瑠璃が知ってる?
「羽月さんが保健室にいるからって、授業抜け出したらしいわ」
「え、白谷が…?」
「そうよ。白谷くんも羽月さんも有名だから、すぐに噂になって広まる。覚悟しておいた方が良い」
金城瑠璃は淡々と話し続けていた。
まさか、言いたいこととはこのことなのだろうか。