Dummy Lover
02.おとしもの
2人の揺らぎ
「由愛ちゃん。…ね、良いでしょ?」
「え、わ……。ちょ、…待ってよ」
「だーめ」
ここは毎度おなじみになりつつある屋上の屋根上。
白谷の偽彼女になってから、何度も足を運ぶようになった。
そんな流されっぱなしの私は、今現在も白谷に流されそうになっている。
「なんでそんな迫るの!?私、偽でしょ!?」
「偽とかそんなの、どうでも良いじゃん。……ね?」
どうでも良いって、…アンタ。
私の腰に腕を巻き付け、もう片方の手は私の顎を掴んでいる白谷は、首をかしげて微笑みながら迫ってくる。
……でも、口では抵抗していても、全力で抵抗は、なんだかできないんだ。
「ふぁ……、ん…」
重なり合った唇から漏れる吐息。
いくら白谷の胸を押しても、力が弱まるわけもなく。
「い、やぁ……ふ、ん…!?」
少しだけ唇が離れた時に、油断して口を開いてしまう。
すると、そこから生温かいものが、素早く侵入してきた。