RAIN DROPS -初めての恋-
初めての恋
あたしの家に着くと。
「俺も、雨が好きだよ。
…笑花が好きだから」
天音くんはそう言って、あたしの手を離した。
天音くんの手が離れて、天音くんの手はあったかいと思った。
行き場を無くしたような、さみしい気持ちになってしまう…。
なにか言わなきゃ…。
天音くんが帰っちゃう…。
「あのね、笑花?」
「は、はいっ!」
びっくりしたあたしを見て、天音くんはクスクス笑う…。
……びっくりしちゃったんだもん、仕方ないじゃんか…。
ちょっといじわるな天音くんに、あたしのほっぺたは少し膨らんだ。
でも、天音くんはすぐに悲しそうな顔をして、あたしに向き直った。
「ごめんね、笑花?」