RAIN DROPS -初めての恋-
「え?」
見下ろす天音くんと見上げるあたしの目線が絡む。
天音くんの左手はあたしの右手を握ってて。
天音くんの右手はあたしの頬に添えられた。
少しずつ近づいてくる天音くんの顔を見ていられなくて、
あたしはそっと瞳を閉じた…。
―――キス
あの夜感じた幸せより、今日の方が幸せなのは天音くんとあたしの気持ちが通じあってるって、感じられるからだと思う。
ほんの数秒。
触れていただけなのに“好き”っていっぱい言われた気分…。
天音くんはそっと離れた唇で
「振り払わなかったね」
って言って笑った。
「あたしはいじわるなんて、しませんよ」
そう言って、あたしも笑った。