RAIN DROPS -初めての恋-
名前を呼ぶだけで、ドキドキした…。
だけど、名前を呼ばれるのは、もっとドキドキした…。
でも一番ドキドキしたワケは、“天音”くんがちょっと恥ずかしそうに笑ったからで…。
心臓は破裂しちゃうんじゃないかと思うほどうるさかった。
……だってその笑顔が、あたしの心をくすぐるから。
天音くんと初めて話してから、どんどん大きくなっていく“心臓の音”――。
あたしにとって“初めて”ばかり…。
分かりたいけど、分かりたくないような不思議な気持ち…。
この気持ちは“なに”?
その後も天音くんが『笑花』って優しく呼んでくれるのがうれしくて…。
でもやっぱり恥ずかしくて…。
あたしは俯きながら、それに応えるので精一杯だった――。