RAIN DROPS -初めての恋-
早く掃除を終わらせないと今日もまた雨が降りだしちゃう…。
本屋さんに行けないことより、ずぶ濡れで帰るのはもっといやだもんっ!
何としても、それだけは避けたい!
そんなことを思いながらも、掃除当番のあたしは黒板消しを丁寧にクリーナーにかけた。
―――あたしは雨がきらい…。
だって、気分はウジウジしちゃうし、がんばったって髪はきまらない。
傘を差したって靴は濡れるし、水溜まりは避けても水が跳ねる。
だからあたしは、雨がきらい。
…なのに、あたしの大事な時に雨を降らせちゃう神様は、いじわるとしか思えない。
だから、傘を忘れたあたしには早く掃除終わらせて帰るしか方法はないっ!
がんばろっ!
あたしは気合いを入れ直して、もう一個の黒板消しを手に取り丁寧にクリーナーにかけた―――。