RAIN DROPS -初めての恋-
ほんの数秒だったけど本当に時間は止まってたんじゃないかと思うあたしは、やっぱりばかなのかな?
でも“あたしは、天音くんのことが好きなんだな…”って確信した。
天音くんのあの優しい笑顔を見ると、ちょっと嬉しくなった。
少しだけ触れていた手が離れるとき、ちょっと悲しくなった。
あたしの心はもう“天音くん”がいっぱいで溢れてた――。
「笑花の家ってどこ?」
なんで家の場所聞くんだろ?
「えっ?…えっとー、」
天音くんのことでぽーっとなっていたあたしは、急な問いかけにやっぱり慌てながらも、分かりやすそうな目印を使いながら説明した。
「そっか」
なぜか天音くんはうれしそうに納得顔をしている。