RAIN DROPS -初めての恋-




「えぇっ!?でも、」

「笑花に拒否権はありません。俺が送りたいから送るの。俺がもうちょっと一緒にいたいの。…ダメ?」


名前を呼ばされた時のような、ちょっと拗ねた上目遣い…。


“一緒にいたい”なんて、真っ直ぐ過ぎる言葉はあたしの思考回路を停止させて……。


「…だめ…じゃない…」


知らない間に口が動いていた。





あたしは、いつもと同じ道を、今日は天音くんと一緒に歩いていく。


天音くんはビニール傘、あたしは黄色い花柄の傘を差しながら。


天音くんは『危ないでしょ?』なんて言って、あたしの左側に車から守ってくれてるみたいに 歩いてくれる…。


あたしの歩幅に合わせて、ゆっくりと――。




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