RAIN DROPS -初めての恋-
あたしは、そんな扱いされたことないからどうしたらいいか戸惑ってしまう。
それを誤魔化そうと、あたしはいつもよりたくさん喋った。
亜美とも話したことないんじゃないかってくらい。
でも話は尽きなくて。
天音くんが優しく微笑んで、「うん」「それで?」って相づちを打ってくれるから、うれしかった。
もっと話していたくなって、
あたしはさっきよりも歩くスピードをゆるめた。
けど、すぐにあたしの家に着いてしまった…。
もう少し、一緒にいたかったな…。
「あの、あたしの家、ここだから…」
おずおずと自分の家を指差してあたしは言った。
「なんだー、残念。バイバイだね?」
天音くんは少しだけ淋しそうな顔をしている気がした。
もしかして、天音くんも同じこと思ってくれてたのかな…?なんて、図々しいことを考えてしまう。