RAIN DROPS -初めての恋-
―――『“恋”は自己中なの』
あたしはふと、亜美の言葉を思い出した。
最近のあたしは欲張りで、天音くんといるときにも“もっと”“ずっと”なんて思ってしまうようになっていた。
「亜美ぃー?」
あたしはまだニヤニヤしてる親友を呼んだ。
「んー?」
「…好きって、欲張りになっちゃうんだね?」
深くは言わない…。
けど亜美なら分かってくれる。
「それが、“恋”なの」
一瞬驚いた顔をした亜美だったけど、それから優しく笑って、うれしそうに言った。
「だからみんな告白するのよ。その人の“特別”が欲しくて、好き合ってる“証”が欲しくて、告白するのよ」
恋を語る亜美はかっこいい。
今は自分のことで精一杯だけど、いつか亜美の恋にも協力してあげたいな……。
「だから、冗談じゃなく告ってみれば?」
「んー」