RAIN DROPS -初めての恋-




その日の昼はいつもより、教室の中が騒がしい気がした。


その中で少し離れたところにいる女子の集団から、不意に大好きな人の名前が聞こえてきた。


「だから…永瀬君は…」

「…まじでぇ?…で?…」

「…きゃー…うそー…」


どうしても気になってしまう。


亜美はそんなあたしを見て、にこにこの愛想笑いを浮かべてその子たちに聞いた。


「ねぇ、なんの話ー?」



その子たちは興奮したように、みんなが勢いで話してきた。



耳を塞いで何も聞きたくなかったけど、あたしは我慢した…。


「は…?」


亜美は大きな目を見開いてもう一度聞いた。





「だからー、

永瀬君と保健の先生が

できてるんだってっ!!」




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