RAIN DROPS -初めての恋-
そしてあたしは、何かが弾けたように知らないうちに、教室を飛び出していた。
早くもない足を、必死に動かす。
走っても走っても…、心は晴れてくれない。
階段を上がって、上がって――。
屋上のドアをバンッ、と開けてあたしは膝をついて丸くなった。
やっぱり神様は、いじわるだと思った。
一瞬見えた空は、あたしのことなんか知らないように気持ちいいくらいの青空だったから―――。
こういう時に、雨が降ってたらいいのにね…。
いっぱい走ったからかなぁ…?
空が眩しいからなかぁ…?
息がうまくできなくて、ズキズキ心臓が痛いよ…。
「…ふっ…ぅ…」
あたしの唇からは、息がだけが漏れていく――。