RAIN DROPS -初めての恋-




「へ?」

驚いたせいで、あたしはすっとんきょうな声をあげてしまった。


恥ずかしさを隠すために
急いで声のした方を見上げると

そこには――、


ふわふわした色素の薄めな髪をした綺麗な背の高い男の子が立っていた。



えーっと…、見たことある…?


あたし、人の名前覚えるの苦手なんだよね…。


でも確か今年のクラス替えで
同じクラスになったはず…

いつも授業中に寝てて…

人気があって…

優しくて、かっこいいって評判の…


んーとー、


なが、め?

なが、の?


違うっ!


えっと……!


「そうだっ!永瀬天音(ながせあまね)くんだ!」


……しまった…っ…!


あたしは思ったままにフルネームを口にしてしまい、恥ずかしさで自分の口元を両手で隠した。




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