RAIN DROPS -初めての恋-
手早くジャージに着替え、重い足を無理やり動かして亜美と一緒にグラウンドに向かう。
今日の授業は、先生が適当に分けたチームでの総当たり戦。
あたしのいるBチームとAチームが、グラウンドの真ん中にあいさつをしようと並ぶ。
運動にやる気の出ないあたしの目の前には、背の高い天音くんがいた。
……えっ?
なんでよりによって、天音くんがAチームなの…?
やっぱり神様は、あたしのこと嫌いなんじゃないかなぁ…。
そう思うと本当に涙が出そうになる。
でも、あたしはグッと堪えた。
今は泣いちゃいけない…。
こんな試合なんて、早く終わらせちゃおう。
できれば天音くんから離れるためにも走ろう。
あたしは初めて、こんなに運動をがんばろうと思った。