RAIN DROPS -初めての恋-
「おーい。笑花ちゃーん?」
先生に起こされて目を開けるとそこにはなぜか天音くんの姿もあった。
「気分はどう?帰れる?」
今会いたくないコンビ…。
「…あ…はい…」
あたしは起き上がり、顔を合わせないよにして答えた。
「良かったぁ。荷物は天音に持って来てもらったから。天音と一緒に帰ってね?」
……えっ!?
先生、ちょっと待って…。
この気まずい雰囲気どうしろって言うんですかっ!?
「いや、あたしもう全然大丈夫なんで…っ!!」
そんな抗議もむなしく、「あたしが心配だから、だめよっ!」なんて子どもみたいなことを言われてしまった…。
あたしと先生のやり取りを見ている天音くんは、一言も話してくれない…。
好きな人から、他の人と帰れなんて言われて…悲しいはずなのに…。
けど。
「分かったよ」
言ったのは、天音くんだった。