RAIN DROPS -初めての恋-
優しく…そっと…。
天音くんの唇が、
あたしの唇に
重なった―――。
ビックリして、
ドキドキして、
クラクラして……。
息ができない苦しさすら、幸せだと思った…。
けど次の一瞬には、先生と天音くんの笑顔があたしの頭を過った。
天音くんが好きな人は…、
先生なのに……。
「や…っ!」
それにあたしは耐えられなくて天音くんを突き飛ばした。
そんなあたしに天音くんは、なぜか驚いた顔をしてた。
あたしはなぜか悲しくて、思わず睨むようにしてから、家の中に入った。
最後のあたしは、どんな顔をしてただろ…。
できれば笑顔で終わりたかったのに…。
こんな風に思い出残されたら、やっぱり忘れられくなるよ…。
だけど…、天音くんは先生が好きなのに、あたしにキスしたことが許せなかった…。
そして…、それでもうれしかったあたしが許せなかった…。
唇が離れて、
体が離れて、
心も離れた気がした……。