RAIN DROPS -初めての恋-
計算された、ちょっと拗ねたような上目遣いで、あたしに懇願してくる先生。
この目…どこかで……?
「ってことで、これっ!」
「えぇぇっ!!??」
“ココ↓”と描かれた丁寧な手書きの地図と、プリントと差し入れのビニール袋を手に握らされ、あたしの疑問はどこかに飛んでしまった。
「いってらっしゃーい!」
強引に昇降口まで連れていかれにこにこ笑顔で手を振る先生。
あぅー…。
しょうがないよ、行くしかない…。
あたしはしぶしぶ、覚悟を決めた。
「行って…、“本当”のことを知ってきなさい…?」
先生がつぶやいた言葉は、あたしには届かなかった。
先生に見送られて、いつもの傘を開き、あたしは重い足を前に出した。