RAIN DROPS -初めての恋-
あたしは自分の思い違いに恥ずかしくなりながらも、天音くんを引きずるようにしてベッドまで連れていき、寝かせた。
おでこには水を絞ったタオルをのせて。
意外に揃ってる冷蔵庫の物で
おかゆを作って。
手が震えてる天音くんのためにふぅーふぅーして食べさせて。
「もー…大丈夫だから…」
って虚ろな瞳で言った天音くんを制止して、あたしはお母さんに電話をかけた。
…天音くん、知ってる?
風邪のときって、ひとりぼっちが寂しいんだよ…?
だから“帰っていいよ”なんて言わないで……。
「あっ、お母さん?…うん…。…でね、…今日、亜美ん家に泊まっていい?…うん、大丈夫。…うん。…じゃあね…」
あたしは電話を切って、天音くんの額にのっていたタオルを水で冷やした。