RAIN DROPS -初めての恋-
いつか少しだけ触れた冷たかった手は、今はとても熱くて…。
あんなに離れようと思って避けてきたのに
やっぱり離れることなんかできなくて…。
あたしは
あたしを呼ぶ声も
いたずらな微笑みも
痛いほどの眼差しも
不器用な心も…
天音くんの全てが好きだった。
忘れることができないなら、それまでずっと好きでいよう。
もう少しだけ…、“自己中”になってあなたに恋をしよう…。
いつの間にかあたしの目に溜まった涙を左手でぬぐって、天音くんの手を強くにぎった。
そして、
目の前で静かに眠る天音くんの寝息に誘われてあたしも眠った――。