RAIN DROPS -初めての恋-




あたしは少し考えて、携帯のアドレス帳を開き、一番上にある名前に電話をかける。



少しの呼び出し音が切れ、

『笑花ー?どしたぁー?』

亜美の大きな声が電話越しに聞こえる。


それにちょっと笑えた…。


「亜美?あたし、今日は休むって伝えてくれないかな?」

『えっ、体調悪い?』


心配してくれる亜美に、あたしは手短に説明した。


『しょうがないっ!言っとくから、任せなさいっ!』


亜美はすごくうれしそうな声で言ってくれた。



『変なことされそうになったら飛んでくからねっ!?』


最後にあり得ないことを言って亜美は電話を切った。



あははっ
あたし、いい親友を持ったね。



あたしは天音くんの寝顔をもう一度見て、幸せな気持ちでキッチンに立った。




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