RAIN DROPS -初めての恋-
――ペロッ
「ひゃ…っ」
天音くんの柔らかい舌の感触が全身を駆けめぐる気がした。
思わず出てしまったすっとんきょうな声…。
恥ずかしい…。
そのせいであたしが俯いていると、
「ごめんね…?」
天音くんは本当に心配そうな顔であたしを見つめた…。
「…だいじょうぶ…」
痛さは吹き飛んだけど、心臓の速さと顔の赤さは大丈夫じゃないよ……。
けどあたしはそう答えた…。
天音くんはその後、絆創膏を貼ってくれた。
はじめから、これでいいのに……。
必要以上にあたしをドキドキさせる天音くんは、いじわるだと初めて思った…。
「もう少し待っててねっ!」
あたしは天音くんをキッチンから追い出して、料理を再開した。
この人がいたら、料理に集中できないっ!
そう思ったから。