RAIN DROPS -初めての恋-




そんな静寂を先生がまた打ち砕いた。



「今日は看病するつもりで休んできたけど帰るわー。
笑花ちゃんがいるもの。
私も旦那とラブラブしてくるぅ!」



玄関まで出て、天音くんと一緒に見送る。



「笑花ちゃん、
天音に襲われないようにね?」


いたずらっ子のような上目遣いであたしを見て、先生は笑って言った。


どこかで見たと思ったこの上目遣いは、天音くんにそっくりだった。


だから、お見舞いも断れなかったんだ。


今では、感謝しなきゃだよね…?



「先生、ありがとうございました!」


だから、あたしは笑顔で言った。


「姉ちゃん、早く帰って?」

「はいはい、じゃあねーだっ」


先生は子どものような無邪気な笑顔で手を振って帰っていった。




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